こんにちは。TOMOです。
ポーカーをしていて脳汁プッシャーとなる瞬間、ありますよね。
ハンドを確認したら2枚ともAだった時。
フロップ1発ツモのナッツフラッシュを引いた時。
ターンでダブルベリーの見えないストレートを引いた時。
ターンまでブラフでダブルバレルしたらリバーでランナーランナーフラッシュを引いた時。
想像するだけで気持ちの良いシチュエーションです。
その気持の良さを感じる中に、”フロップでセットがぶっ刺さった時”も入るのではないでしょうか。
今日はそんなセットが刺さった実際のハンドについて、snowieを活用して反省をしていきます。
実際のハンドがこちらです。
左に上手い日本人が座り、なるべくぶつかりたくはないなーと思っていた瞬間に起こった出来事です。
—–
6-max
1-2
100BB持ち
LJ僕 9◇9♧ r4.8
HJ rr14
僕 c
フロップ 31
K♤9♤2♧
僕 ✓
HJ b10
僕 c
ターン 51
J◇
僕 ✓
HJ b30
僕 r60
HJ c
リバー 171
Q♡
僕 ✓
HJ ✓
—–
個人的な感想としては、
(別に悪いプレイではないけど、相手を警戒して消極的過ぎたなー)
というものでした。
結果的に相手はAKのTPTK(トップペアトップキッカー)という絶好のバリューターゲットだったわけですが、一方で
フロップ:KKに負けてる
ターン:JJに負けてる
リバー:QQ・TT・ATsに負けてる
とフロップミドルセットの割に自信を持って勝っているハンドでは無くなっていきました。
どう捉えて行けば良かったのか。ストリートごとにSnowieを活用して一つひとつ振り返っていきます。
◇LJ(99)目線でのアクション◇
・プリフロ 2.4BBオープン ←適切
上から数えて6番目に強いハンド99でオープン。
普通ですね。
snowie先生も適切と評価しています。
2.25BB(0.5ポットレイズ)の方が若干EVは高いものの、僕は常に2.4BBオープンにしているのでそこは誤差の範囲です。
◇HJ(AKo)目線でのアクション◇
・プリフロ LJオープンに0.73ポットレイズ(3bet) ←適切
LJ(6-maxでのUTG)オープンに対峙し、HJ AKで3bet。
こちらも言うまでも無く普通のアクションでsnowie先生も適切と評価しています。
こちらも0.5ポットレイズの方が若干EVが高いですが誤差の範囲でしょう。
◇LJ(99)目線でのアクション◇
・フロップ K92 ツートンにチェック ←適切
3betポットでセット!
しかもツートーンボード!
K 1枚だけがハイカード!
脳汁プッシャー!
と心は血湧き肉躍る瞬間ですが、重要なのはポーカーフェイス。
画面を通してこの興奮が伝わってはいけないと、素早くチェックして冷静にアグレッサーへアクションを回します。
Snowie先生もチェック100%推奨と言い切っていますが、意外とベットでもほとんどEVが変わっていません。
(チェック23.88、ハーフベット23.80)
ライブだと相手を見てベットすることも多々あるんですが、ミスプレイをしてくれる人間相手だとベットの方がEV高くなりそうですね。
とりあえずここは適切なプレイをして相手のアクションを見ていきます。
◇HJ(AKo)目線でのアクション◇
・フロップ Kハイ ツートーンボードに0.32ポットベット(CB) ←適切
みんなが「俺のAKは毎回滑る」と一度は愚痴を言ったことがあるであろうAK。
今回はきちんとKをヒットさせて一安心。
あとはセットがいないことを願いつつミドルポケットやドロー・Kヒットグッドキッカーからバリューを取れるだけ取りに行くだけです。
ベット額は適度な額であればいくらでも良さそうですが、ここでは0.32(約1/3ポット)ベットを選択。
Snowie先生も適切と評価しています。
一方で、EVとベット頻度で見るとベット額によって以下のように変わっていきます。
0.25ポット:EV11.74/頻度75%
0.32ポット:EV11.74/頻度75%
0.5ポット:EV12.42/頻度100%
1.0ポット:EV11.74/頻度25%
Snowie先生的には「毎回ハーフポットベットをする」が正解のようです。
「それ以外のベット額であればチェックも混ぜて良いよ」とのこと。
強すぎない強いハンドはチェックでもベットでも基本正解になる。Snowieあるあるといったところでしょう。
◇LJ(99)目線でのアクション◇
・フロップ 相手のCBにミドルセットをチェックコール ←適切
CBに対してセットをコール止め。
我ながら消極的なプレイを選んだなーという場面ですが、Snowie先生も適切と評価しています。
レイズする頻度の方が圧倒的に高いですが、混合戦略の範囲内です。
一方で、AKのCBと同様にEVとレイズ頻度で見ていくと以下のようになります。
0.25ポット:EV26.34/頻度79%
0.5ポット:EV29.42/頻度100%
1.0ポット:EV26.34/頻度52%
こちらも本来は「毎回ハーフポットレイズをする」が正解のようです。
ちなみにコールを選択した理由は、相手が上手いプレイヤーだったことが一番重要で「レイズしなければターンでもう一発CBして貰え、レイズにもコールが貰える可能性が高い」と考えてここはコールで止めました。
とはいえセットで素直にレイズをしないとレイズレンジにブラフが多くなりすぎてしまうので基本はレイズが正解だなーと反省です。
◇LJ(99)目線でのアクション◇
・ターン Jと少し嫌なカードが来るもチェック ←適切
JJにSOS(セットオーバーセット)で捲られ、可能性は低いですがQTsにストレートを作られ、更にAQsやATsにガットショットができるJが落ちました。
更にHJ目線では(AAやAKを持っているとすると)KJsにも捲られ、よりCBを打たない理由を作るカードでもあります。
LJの99目線では
・捲られたかもしれない
・リバーで捲られる可能性も増えた
・こちらが勝っている場合も相手からのCBが期待しにくくなった
というカードです。
逆に言えばブラフをしやすいカードでもあるので、そのブラフレンジに混ぜてドンクをし、AA・AKやドローにコールを貰うことも考えましたが、フロップでチェックコールに回したことを加味してチェックにとどめました。
Snowie先生も似たような思考でしょうか。
ベットも混ぜつつここはチェック頻度83%と、チェックも適切と評価しています。
◇HJ(AKo)目線でのアクション◇
・ターンJと少し嫌なカードが落ちるも59%ポットのCB ←適切
さすが上手いプレイヤー。
嫌なカードが落ちるも、こちらのレンジに対してはAKはまだ勝っているのでしっかりCBです。
しかもフラドロ・TTやQQ等のセットアウツありのガットショット・QJsやJTsの1ヒットガットショット等の割合が多いと考えてか59%ポットとハーフベットよりも大きめに打ってきました。
Snowie先生も適切と評価しています。
(25%ポットや100%ポットベットをするくらいならチェックとも言っているので最適なベット額でもあります)
◇LJ(99)目線でのアクション◇
・ターン CBにミニマムレイズ ←適切
少し嫌なJが落ち、3ベッターからダブルバレルを打たれました。
怖いなー怖いなーと感じつつもセットを引いた以上どこかで覚悟を決めてポットを大きくすべし!
とはいえ大きく打ってバリューターゲットに降りられてセットにだけレイズされるようなことだけはしてはいけない。
そんな思考で、相手のベット額も小さくなかったのでミニマムレイズを選択しました。
Snowie先生も23%の頻度でレイズが適切と評価しています。
ちなみに0.5ポットの場合はレイズ頻度が55%に上がりますが、EVは同じでした。
ここのアクションが適切だったのかを一番知りたかった内容でしたが、正しいプレイをできていたようです。
◇HJ(AKo)目線でのアクション◇
・ターン 相手のミニマムレイズにコール←不適切
なんということでしょう。
Snowie先生は、この僕のミニマムレイズにTPTKを100%の頻度でダウンしろとおっしゃっています。
上記の通りここでのAKはかなり微妙なマージナルハンドではありますが、それでもトップヒットトップキッカー。
ダウンも混ぜるくらいなら理解できますが、100%ダウンとは思いませんでした。
ちなみにコールレンジは以下のようになります。
2P以上のハンド以外は基本負けている前提なのか、ガットショット以上のドローがあります。
同じKヒットでもトップキッカーのAKは100%ダウン、ガットショット付きのKQは100%コール。
これはとてもSnowie先生らしいところですね。
◇LJ(99)目線でのアクション◇
・リバー Qが落ちてチェック ←適切
チェックレイズにコールを貰い、リバーでフラッシュのないQ♡。
自分は色々考えてチェックを選択し、Snowie先生も適切との評価です。
ただ、61%の頻度でオールインを推奨しています。
ここで99が負けているハンドを整理すると
KK:入り口から出口まで負け続け 3コンボ
JJ:ターンで捲られた形 3コンボ
QQ:リバーで捲られた形 3コンボ
TT:リバーで捲られた形 6コンボ
QTs:ターンで捲られた形 3コンボ
ATs・KTs・JTs:リバーで捲られた形 9コンボ
と結構なコンボ数に負けています。
一方で、
AA:6コンボ
AK:12コンボ
KQs:2コンボ
KJs:2コンボ
QJs:2コンボ
と結構なコンボ数にも勝っています。
ざっくり数えたコンボ数だけで見ると
自分が勝っている:24 vs 自分が負けている:27
とほぼ同じくらいになります。
一方で、負けている27コンボのうちターンまでのアクションで高頻度で残っていそうなものは
QTs♤♤:1コンボ
ATs♤♤:1コンボ
JJ:3コンボ
くらいでしょうか。
KKはターンでリレイズオールインになりそうですし、QQ・TTはターンチェックバックしそうです。
更にフラドロのないATs・JTs、キッカーの弱いトップヒットKTsあたりもチェックバックの方が多そうです。
そう考えると相手の残っているレンジにT持ちやセットはかなり絞られそうです。
(とはいえターンはチェックでもベットでもどっちでもOKなハンドが多いので推測するのはかなり難しいですが)
ということまで考えると、相手のレンジに勝っていることだけを重視するとオールインしても良いかもしれません。
レンジ的に勝っていても、「自分より強いハンドにだけコールされて弱いハンドに降りられるベットはするな」が基本です。
では次にオールインした時にバリューが取れそうなのか?(=自分より弱いハンドにコールが貰えるのか)を考えていきます。
自分が勝っているハンド
AA:6コンボ
AK:12コンボ
KQs:2コンボ
KJs:2コンボ
QJs:2コンボ
と想定し、こののうち、オールインしてコールをしてくれるハンドはあるのでしょうか。
Snowie先生に、「LJがオールインした場合どんなハンドでコールをするのか」聞いてみた結果がこちら。
AT
KT
KK
JJ
のみ。
KQ(トップ2P)もAAハイポケもダウンです!
ということは、「61%の頻度で自分からオールインしろ」と言っていますが、裏には「負けてるハンドにだけコールされて勝ってるハンドには降りられるけどね」という論理破綻を含んでいることになります。
Snowie先生特有の「様々なハンドとシチュエーションの組み合わせを考慮すると(エクスプロイトされないためには)この頻度でオールインすべきだけど、1ハンドごとで論理的に考えたら最適なプレイにはならないこともある」というやつですね。
そのため論理的に考えていくとリバーは100%チェックで良さそうです。
◇HJ(AKo)目線でのアクション◇
・リバー 相手のチェックにチェックバック ←適切
フロップTPTKで滑らないAKに感謝していたら、どんどんスケアすぎるボードに変わっていく悲劇。
ターンでレイズを返されたもののリバーは相手もチェック。
ここはTPTKのエクイティを実現させるためのチェックバック。
Snowie先生も100%チェックを推奨しています。
・まとめ
お互いフロップミドルセットとフロップトップヒットトップキッカーと全弾入ってもおかしくないボードでしたが、お互いにとってどんどんしんどいボードになっていきスタックの半分はポットに入ることなく終わりました。
プリフロからリバーまで2人合計12回のアクションがありましたが、Snowie的なミスは1回のみで、その1回も0.5BB以下の損失と判断されるミスとも言い難い内容です。
上手い人相手には正しいプレイをしていれば搾取されない。
それがGTO戦略のメリットだ!とは言いますが、一番は上手い人とはぶつからないことだなーと改めて感じる1プレイでした。
ただ、上手い人とぶつかるのはやっぱり楽しいんですよね。
全力でプレイできて、ポーカーは脳に汗かくスポーツだなってしみじみと思います。
・余談
ちなみに。
リバーのHJ目線。
相手は正しくチェックバックを選択しましたが、よく分からないプレイヤーあるあるの
(あれこのAK負けてるくさいし、セット降ろすためにこのAKをブラフに変えるか)
(AKでKヒットなんて3発打つ以外にないだろおおおおお)
等と考えてオールインした場合、LJの99はコールできるでしょうか。
Snowieの結論;
94%フォールド!
自分は搾取されないんだエクスプロイトされないんだと自信満々な割に、結局よく分からないアグレッションが高すぎるプレイヤーには知らず知らずのうちに搾取されるSnowie先生であった。
これだからSnowieってやつは!