こんにちは。TOMOです。
前々回、前回に引き続き2023年WSOP期間のラスベガス遠征に関する記事となります。
前回までで6/1の出発から6/24あたりの様子までをまとめました。
今回は7/16の帰国までのラスト3週間の様子と、全体のまとめとしてポーカー収支や経費について記載していきたいと思います。
下振れからの脱却
こちらのグラフは前回の記事に載せたものですが、初日から6/24までの約3週間程のポーカー収支のグラフです。
最初の3日で6000ドル程勝って、その後勝って負けてを繰り返して3000ドルの勝ちまで勝ち額を減らしています。
気持ち的にしんどかった……という3週間として前回の記事ではここで区切っていますが、このグラフの翌日25日に2,566ドルのプラス・翌日26日が597ドルのプラスでここまでで6000ドルのプラスに戻しています。
その後1日休みを挟んで2日間で-912ドル、6/29時点で+5,315ドルとなります。
それまでのグラフがこちら;
山あり 谷あり、基本はキャッシュでトナメも7つ参加、約1ヶ月で1000BBのプラス、総プレイ時間は228時間40分、時給約23ドル(4.6BB程)と考えると実力通りの範囲内かなーという感覚です。
プレイ種目と時給について
ここで急に自分を客観的に見た時のライブキャッシュゲームの実力についてダラダラ書いていきます。
2/5程度のレートでそこそこテーブルが立っていて僕がテーブルの平均程度以上で打てるゲームはNLH・PLO・特殊ボムポット・big-oの4つです。
この4つについての自己分析になります。
自分で言うのも……という内容も含みますが、あくまで客観的に神目線の自分がそう捉えているものとしてご理解いただければと思います。
また、何度も繰り返しますがあくまで”低レートライブキャッシュにおいて”です。
NLHに関してはプレイ時間や座学(本・動画・ツール・雑談他)を合わせれば費やしている時間が5000時間は超えますし、高レートを打たない人の中では十分ポーカーに向き合ってきた方で、上の下とも中の上とも言える感じでしょうか。
去年ラスベガスでNLH負け越している中でこう書くのは忍びないですが、過去の遠征をならしていくと+5~10BB/時間が実力かなと思っています。
10BBはありそうだけど謙虚に5~10にしとこうというより、10BBはないけど5BBはあるよねって感覚が近いです。
ただ、チップをばら撒く人がいると時給が跳ね上がって、そこそこ打てる人達しかいないと急に渋くなって……というのがライブキャッシュゲームの現実なのでテーブル移動しない主義の僕はコツ→コツ→コツ→ドカン↑みたいなイメージでならすと5BB強になるといった感覚が近いです。
(当たり前ですが実際はコツ→コツ→なんてことはほぼないですが)
続いてPLO。
PLOは一番得意としているゲームです。
ただ「PLOはNLHより自信がある」と書くとPLOというゲームに対する理解度はどうなんだとかプリフロレンジ覚えているのかとか反論多そうで、実際そういうゲームへの理解度等で言えばNLHの方が自信はあります。
費やしている時間も違えば教材の量も違いますし、PLOについては基本以外座学で学ぼうと思う瞬間が全然なかったので当たり前と言えば当たり前です。
でも勝てる勝てない・時給が出る出ないで言うとPLOの方が自信があります。
具体的に言えばPLOは時給10~15BB程度出る感覚でいます。
ハンドの枚数が多くより考えることの多いので、ハンドあたりで言えばNLHの2~3倍は勝てると思っています。
ゲームに対する理解は薄いけど勝てる。
これを言い換えると試験を受けたら“NLH”という科目は70点くらい取れるけど”PLO”という科目は55点くらいしか取れない、でも平均点がNLHは60点(中央値も60点程度)でPLOは平均点が30点(中央値は25点程度)みたいな感覚です。
低レートライブキャッシュのPLOは、とにかく周りの人のプレイ(答案用紙)が雑なんですよね。
ポーカーの利益は同卓プレイヤーとの差によるもので、傑出度というか、差が付けば付く程大きくなるので、自分の上手さも重要ですが周りのレベルもかなり重要な要素になります。
ポーカープロの間では「卓選びが一番重要」「良いゲームに呼ばれるような関係構築力(コミュニケーション能力・英語力等)が最重要」等と言われるくらいです。
僕自身は適当にカジノに行って、悪く言えば卓で嫌われない程度のコミュニケーションしか取らない上にいわゆる卓選びをしないので、勝つために一番重要と言われる能力が無いということになりますね。
さて、話を戻すと傑出度が利益の元になる……を更に身近な言葉に言い換えると、「偏差値が高いと勝てる」という感じになります。
皆が60点取ってるテストで60点取っても偏差値50程度、70点だと55くらいですが、皆が25~30点程度しか取れないテストで55点取れると偏差値は65とか70とかになりがちなんですね。
ポーカー偏差値55で平均の偏差値50に座っているのがNLH、ポーカー偏差値65で平均の偏差値50に座っているのがPLO……という考え方をすればそりゃPLOの方が勝てますよね。
偏差値って集団によって数値が大きく変わるので、くどいようですがあくまで最低レートのライブキャッシュテーブルを母集団にしている……と捉えて貰えればと思います。
(カジノにいるポーカープレイヤー全体での偏差値ではない、という話。逆に言うと高レートに座って負けてるプレイヤーは最低レートに来ると卓の中で偏差値70を超えることもあるはず)
3つ目のゲームが特殊ボムポットです。
(読み慣れないと謎のカタカナの羅列になるので飛ばし推奨)
基本的には5カードPLOのダブルボードボムポットが多く、big-oのシングルボードボムポット、4カードPLOのダブルボードボムポット、4/5カードPLOハイローのダブルボードボムポットベストベスト(最強のハイ役と最強のロー役のチョップゲーム)等も考えられます。
去年は4カードPLOのダブルボードボムポットがリゾートワールドで盛り上がっていて、恐らくゲームが登場したばかりで「なんだこのエクサイティングなゲームは!」「このクソゲー感がたまらない!」みたいな感じで上手い下手とか関係なく老若男女が入れ替わり立ち替わりまるでバカラテーブルのようでした。
上手いとか下手とか関係なく。そうなんですよ。
本当に去年は皆めちゃくちゃだったんですね。
僕も去年初めてプレイしたのですが、座って1周する前に(このゲーム絶対勝てるだろ……)と思いました。
そして実際に勝ちました。
プレイ時間が少ないので上振れ&絶対額は大したことないですが、バカ勝ちしたと言えるくらい勝ちました。(16時間4,400ドルのプラス)
が、これは去年のことで、今年はWSOP会場とリゾートワールドで5カードのダブルボードボムポットが立っていましたが、座ってすぐ(あれ。皆うまいぞ……)と異変に気づきました。
勿論慣れてない人もいるにはいるし皆がメチャクチャ上手いわけではないんですが、去年は平均点20点くらいの卓で45点程度の自分が無双してたのが、今年は中央値が40点程度になっていてたまに慣れていない20点のがいる……みたいな卓になっていました。
そんなこんなで長く打ってもNLHと同じくらいの(5~10BB程度の)時給でPLO以上に勝てるゲームではなさそうな感覚でした。
面白いんですけどね。
最後にbig-o。
今までのゲームは「自分はこのへんの実力」というのが客観視できていたのですが、big-oは「実力もどう打てば良いのかもわかんねー」から始まってます。
去年は1セッションだけ座って3時間で300ドル溶かして終わっており、今年は色んなゲームに挑戦しようと思った一つとして遠征序盤から座ってみたのですが、テーブルに1人2人プロがいることは分かって、他の人達の中で自分がどの程度にいるか分からん! というのが実情でした。
誰がフィッシュか分からなかったら自分がフィッシュだよという奴ですね。
数字的にも勝って負けて勝って負けてを繰り返して、6月いっぱいはちゃんとマイナス圏をウロウロしています。
が、一方で確信していることがあり(このレートでプロがちゃんといるってことはコツが分かったらPLOより安定して勝てるんじゃないか)と考えていました。
とくにPLOは分散が激しいのでプロが数100BB負けて溜息付いている姿もよく見ますが、big-oはプロが安定して少しずつスタックを増やしていることが多く、ハイローゲームで全部のスタックが消えることがないので分散が実は小さいのでは? と考えていました。
(なんかプロは打ち方が違うんだろうな)
(何が違うんだ)
(知りたい知りたい!)
こう考え始めると楽しい!
結果勝とうと負けようといったんはどうでも良くて、上手い人のプレイとそうでない人(自分含む)のプレイの差、大きく負けているプレイの何が悪いのか等を観察して自分のプレイを磨き、宿に返って振り返りをして。
big-oの合間にトナメや他のゲームもやりながらとはいえ、NLHを始めた当初のような仮説を立てて実行して振り返って……という日々を送って、自分が成長している実感もあり、負けていてもとても楽しかったです。
自分の中の実力も、最初は「時給何BBかは分からないけどマイナスなのは分かる」から始まり、「ちょっとまだマイナスくらいか」「そろそろレーキ込みのプラマイゼロくらいか」と自己評価が変わっていきます。
そして6月30日に、1週間ぶりにbig-oをプレイしてみたら(あ、これ勝てる)と急に何かを掴みました。
(PLOくらい勝てるんじゃね?)という楽観的すぎる感覚がありました。
この感覚は去年のボムポットに座った時と同じです。
Youtuberの定番のセリフに「今回は来る気がする」というものがありますが、これは結果来ても来なくてもとりあえず事前に発言しておくことに意味があるものなので信ぴょう性皆無ですが、一般人のこの感覚は本物です。
big-o集中週間
上記のようにプレイする種目によって(このくらい勝てるだろう)みたいな感覚が全然違って、6月中旬はトナメとキャッシュと滑り続けていたのでバンクロール崩壊すると取り返しつかないので6月下旬は意識的にPLOを中心に打っていました。
それでようやく最初の3日を除いた収支がプラマイゼロ程度になり、遠征の終わりも見えてきて現金が尽きることはなさそうと思えたことで6/30にbig-oを1週間ぶりに打ちました。
結果、1,363ドルのプラス。
そして打っている最中に(これいけるな)と感じ始めました。
そこで翌日もbig-oを打ったところ1,243ドルのプラス。その翌日が528ドル、その翌日が651ドル、続いて512ドル、78ドル、1,487ドル、890ドルと1週間勝ち続けました。
その翌日41ドルのマイナスになり、調子に乗って打ち方をアグレッシブに変えてみたら1,898ドルのマイナスになり、色々あったものの、6/30以降は約80時間で5,890ドルのプラスで終えられました。
その前までが約50時間で-1,912ドルなので、6/30のコツを掴んだ感覚が正しかったと言えそうです。
ちなみに去年HORSEという5種目のmixゲームに手を出してみて、今年はmixゲームのキャッシュにも座ろうと思っていたのですが、big-o1つにいっぱいいっぱいだったのでまた来年以降に持ち越しとなっています。
旅全体のまとめ
そんなこんなであっという間に1ヶ月半を過ぎ、2回目のラスベガス遠征は終わりを迎えました。
ということでまずは旅全体の総括です。
基本的に滞在中は1ドル=140円、滞在前はその時点のレートでの換算になりますが、ざっくり
経費:5,675ドル(79万円)
キャッシュ:+15,275ドル(約213万円)
トーナメント:-590ドル(約8.2万円)
合計:+9,010ドル(約126万円)
といった結果になりました。
2年連続の勝ち越しで良かったです。(小並感)
僕の遠征結果まとめに対してはポーカー収支よりも「経費が少なすぎ」という声が多いんですが、ラスベガスでは食費がとくに少ないようです。
“食事代”と”交際費”を合わせて670ドル程(約93,000円)使ってるので全く少なくはないと思うんですが、外食を基本にするとジャンクフードで1食20ドル30ドルが当たり前の世界なので、そう考えれば安いってことになるんでしょうね。
いやーでもハンバーガーのポテト・ドリンクセットに3000円払っても良いと思います?
そのへんのコーヒーやシェイクに1500円払っても良いと思います?
日本のチェーン居酒屋より美味しくない料理と適当な接客のディナーに1万5000円とか払いたいと思います?
アメリカで外食を基本にするってことはこういう質問をされてYesと答え続けることと同義で、僕はこの質問の答えは大抵Noになってしまうんですよね。
今そのお金使うなら日本で使った方が満足度に直結しない? という発想になってしまいます。
ということで、民泊のコンドミニアムで自炊を基本とし、日本からもサバ缶、袋麺、パスタソース、ごま油等スーツケースに入る限りで詰め込みました。
高いだけで美味しいし栄養も完璧なら外食を選ぶ選択肢も出てきますが……以下省略
宿代・飛行機代の次にウーバー(タクシー)費用に911ドル使っていますが、これについては毎日2~3回移動をして1回10ドル程度のためこれ以上削ることはできない必要経費と捉えています。
バスを使えば半分以下に押さえることはできるようですが、さすがにあの夏のラスベガスの暑さの中バス停でバスを待つことは避けたく、そうでなくてもある程度の大金を持ってアメリカのバス停で待ったりバスに乗ったりをするリスクに節約できる金額が見合っていないように思っています。
経費合計金額は、去年が5017ドルなので、多少のインフレを加味しても6000ドル程度が来年以降も目安になるのかなと思います。
ポーカーまとめ
キャッシュ・トナメの結果がそれぞれ以下の通りになります;
NLHは合計9時間半だけ打って-1,117ドル、結果2年連続の負け越し
PLOはメインで打って108時間+1万ドル超え
big-oは1ヶ月かけて勉強し、7月はほぼずっと打って約130時間+約4,000ドル
ボムポットは41時間1,309ドル
その他でFLOとショートデッキを少し打った
という感じです。
今年は
・NLHリベンジ
・PLOもガッツリ打つ
・ボムポットは程々に
・それ以外のゲーム(願わくばmixゲーム)に挑戦
・トナメはキャッシュ勝ったら&気分が乗ったら出る
とふんわり考えていましたが、big-o 1つで130時間打ったことでほぼPLOとbig-oで終わってしまいました。
ポーカーは睡眠削ったり宿でゆっくりする時間を減らしてまで(健康を害してまで)無理して打つものではないので、プレイ時間も今までより大分減りましたが1日平均8時間程度(週休2日換算だと平均9.6時間程度)と考えればこんなものかなーと思います。
NLHリベンジもしたいなーと常に思っていたんですが、NLHはどこでも打てるけど他のゲームはここでしか打てないという感覚で後回しにしてしまった結果気づいたら遠征が終わってしまいました。
最後に初日~最終日までのセッション単位・日にち単位のグラフをまとめます。
左端と右端だけを見れば「綺麗な右肩上がり」に見えなくはないですが、実際はそんなことないことは今まで書いてきた通りです。
安定して勝つのはポーカーというゲームの性質上無理ですし、この300時間程度の結果が収束したものであるはずはないです。
今後も経費はなるべく削った上で、それでいて楽しく無理なく長くポーカーを続けていければと思います。
チップの話
チップについても余談を書こうと思っていましたが、長くなりすぎたのでこれは別記事にそのうちまとめようと思います。
以上