【ハンド分析】HJ88オープン vs SB3ベット 2/2【Snowie活用】

HJ88オープン2-2
こんにちは。TOMOです。

 

昨日のハンド分析の続きです。
~~~~再掲~~~~
◇実際のハンド◇
150/300/300
僕HJ88 r1100
ボタンc
SBr3000
僕c
SB c

 

フロップ
9♤9♡J♢
SB、僕 ✔︎
ボタン b2500
SB c
僕 d

 

ターン
4♡
SB ✔︎
ボタン b3500(残り6000)
SB r AI要求9500
ボタン c

 

ハンド
ボタン QJs
SB AA

 

HJ88でオープンし、SBから3倍弱の3ベット。
ワンコールしてフロップペアボードにダウン。
といったハンドです。
~~~再掲終了~~~
◇ボタン(QJs)目線でのアクション◇
・プリフロ HJ3.7BBオープンにコール ←適切

 

キャプチャ1.PNG

 

HJである私(ややルーズな日本人)が、通常よりも大きい3.7BBのオープンをしてきました。
ボタンでハンドを見ると、QJs。
ブロードウェイカード2枚・コネクタ・スーツ。
魅力的な属性が功を奏した上位10%のハンド。
ポジションは一番最後にアクションができるボタン。

 

誰もが「行きたい!!」と思う状況です。

 

問題は、コールで留めるか・レイズを返すかといったところでしょう。
Snowie先生はレイズするのであれば50%ポット推奨の、
レイズ26%:コール74%の混合戦略です。

 

結果、このHJはコールを選択しました。
LJ~COオープンに対するHJ~BBのレイズレンジは人によって大きく異なり、
広い人は(シチュエーションもありますが)本当に広いです。

 

一時twitter上で話題になった日本人プロのGTOクイズはLJオープンにHJでKJsレイズでした。
私が印象に残っているハンドでは、フィリピン人プロから
HJオープン→CO僕3ベット→BBプロ4ベットのポットでQJsが出てきたことがあります。

 

この4ベットはなかなか酷い(≒上手い)プレイではありますが、
オープン→コールの流れの後でA5s・KQo・66あたりで3ベットする人もいるので、
自分のハンドを守る上でも適当な頻度でのレイズも大切かと思います。
・SB3ベット・HJコールに対してボタンQJsコール ←適切

 

キャプチャ2.PNG

 

「3ベットしておけばよかった……」
ボタンが「普段はレイズをするにも関わらずHJのオープン額を気にしてコールに留めた」
のであれば、全力で後悔しているシーンです。

 

とはいえ、後悔先に立たず。
ポーカーでは過去の自分の選択が良くも悪くも今の自分に降りかかってきます。

 

HJ:オリジナルレイザーかつ3ベットにコールできるハンドを持つ
SB:HJのオープンに3ベットできるハンドを持つ
自分(ボタン):HJのオープンにコール止めするようなハンドを持つ

 

こう考えると現状のQJs(Qハイ)は、二人のレンジに勝っていそうにないです。
とはいえ、手元にある2枚のカードは
ブロードウェイカード2枚・コネクタ・スーツ。
上手くハマると非常に強力なハンドに変わり、
フロップによってはAAにも匹敵するレベルになり得る魔力を秘めています。

 

そのため、ここはまともなポーカーらしくオッズで考えましょう。
ポットは自分の支払った1,100も合わせて7,700。
コールに必要な額は1,900。
必要勝率は19.8%と算出されます。

 

ザックリ3パターンに分けて、勝率を考えます。

 

◇良い方のパターン◇
ドミネイトされず、JJ以上もおらず、
自分だけが1ペアを作るだけで勝てるパターンです。
この場合、勝率は30%を超えてコールが正解になります。
キャプチャ3.PNG
◇普通のパターン◇
ドミネイトはされているものの、JJ以上はおらず、
ドミネイトされていないカード(例では「J」)だけが場に出れば勝てるパターン。
23%の勝率があるため、この場合でもコールが正解になります。
キャプチャ5.PNG
◇最悪な方のパターン◇
一人はハイポケ、一人はドミネイト。
QとJ両方がペアになる以上のボードとの絡みが必要になり、
ドミネイトされているハンドにアウツ(この例での「Q」)が
1枚消されているパターン。
必要勝率14%なので、ダウンが正解に。

 

※考えられうる最悪のパターンは、1人がK♤8♤・1人がQQあたりかと思いますが、
 さすがに可能性が低いので、現実的なラインを設定しています

 

キャプチャ4.PNG
これらをイメージしつつ相手2人のレンジに対して勝率を考えていくと
19.8%くらいは勝率がありそうなので、コールが正当化されそうです。
ちなみに、実際のハンドでの勝率は16.53%。
ハイポケがいる以上2ペア以上の役が必要になる状況な上、更に♤が1枚・
下のストレートに必要な8が2枚・上のストレートに必要なAが2枚消されているので
Q♤J♤にとってはしんどい勝負となっていました。
キャプチャ6.PNG

 

・フロップJハイボードでラストアクションベット ←不適切

 

キャプチャ7.PNG

 

HJである僕が見ていて(あーあ、やっちゃった)と思った瞬間です。

 

Jがボードに出た以上QJsにとっては悪くないボードに見えますが、ペアボード。
相手が悪い(JJ~AA)場合、もしQが出ても2ペア勝負で負けるボードです。

 

とはいえ、相手が88とAK等の場合、無料でターンを見せることで
セットを引かれて捲られる・上のペアを引かれて捲られる
といったことも考えられます。

 

ここはメリットとデメリット・リスクとリターンのバランスですが、
Snowie先生は「打つな」との教えになっています。

 

EV的には大きく変わらず、50%ポットベットであれば
「10%の頻度でベットしても良い」といった教えもあります。

 

キャプチャ8.PNG

 

このアクションが地獄の沼への第一歩かもしれない……
そう思いながらプレイをすることが少なからずありますが、
今回のボタンのアクションはまさにそれでした。

 

僕もフロップを見た当事者ではありましたが、彼のベットを見た時
「ここKJやQJだったら自分は打たないかなー。でもAJだったら打っちゃうかもなー……」
等と考えていました。
・vsSBのヘッズアップになり、ターンラグが落ちて24%ベット ←適切

 

キャプチャ9.PNG
僕がフロップを見る前に「88刺され!」と願ったように、
彼もまたフロップでベットした時「フロップで終わってくれ」と願ったことでしょう。

 

彼の祈りもむなしく、SBがコール。
ターンはSBチェックで回ってきてしまいました。

 

ここで何も考えずにチェックをした場合、
リバーの相手からのオールイン要求に対して
更に難しい決断を迫られます。

ここはチェックを選択するにしても冷静に考えて腹をくくるところのようです。

 

 一般的に負けている中で考えられうるハンド:
 99(1通り)、A9s(2通り)、AJs(3通り)、JJ(1通り)、QQ(3通り)、KK+(12通り)
 一般的に勝っている中で考えられうるハンド:
 KQo(12通り)、QTs(3通り)、TT(6通り)、88(6通り)

 

こう冷静に考えると負けている可能性の方が高そうですが、
もしかしたら相手はAKやAQ(計28通り)の場合もあるかもしれません。

 

また、SBから見るとボタンのハンドはQJ・KJ等のJペア・QTs・KQoが濃厚であり、
「負けている中で考えられうるハンド」は全てイージーコールができて
「勝っている中で考えられうるハンド」の大半はイージーフォールドができる状況です。

 

「勝っているハンドにはコールされて、負けているハンドには降りられる。
 そういう状況でのベットはするな」はポーカーでの基本原則です。

 

ここは冷静に紐解いた勝率とポーカーの基本原則を頼りにチェックに傾きそうです。
しかし、ボタンはベットを選択しました。
「相手はAKやAQ(計28通り)なんじゃないか。KQ(12通り)かも」
と考えてしまったのでしょう。

 

これらのハンドを考慮すると、ここをチェックで回すとリバーで
A・K・T・8が出たら身動きが取れなくなり、
相手からオールイン要求が来た場合は「勝っているのにポットを取れない」
という最悪なパターンになることも十分考えられます。

 

とはいえ、「勝っているハンドにはコールされて、負けているハンドには降りられる」

 

今はそういう状況です。

 

そこまで考えてのベット額かは分かりませんが、彼は24%ベットを選択しました。
・ターンベットに対してSBがチェックレイズオールイン要求。対して渋コー ←適切

 

キャプチャ10.PNG

 

残りスタックが6000の中、3500のベット。
相手からオールイン要求が飛んでくる最悪の展開になりました。

 

現在のポットは18,100。コールに必要な額は6,000。
必要勝率は24.9%の状況です。

 

プリフロでは19.8%の勝率が必要でしたが、今は5%上がっています。

 

結果、彼はコールし、Snowie先生もコールが適切と褒め称えています。
相手のレンジにKQやTT等が入っているのであればコールが正解で、
AK・AQが入っている場合はお釣りが来るような状況です。

 

そもそも「負けていてもリバーでJが落ちれば勝利する確率(4.5%)」も
無視できない状況でのコール判定です。

 

EVで考えるとコールが正解になってしまいますが、
果たしてこの場面でコールができるのか?すべきなのか?
の疑問に対して僕は「No」になる場面は多いと思っています。

 

 ・トーナメントで生き死にがかかっている大きなポットでの戦い
 ・3wayの3ベットポットでのフロップターンのアクションと、
  状況的にボタンがJ持ちの可能性が高い
 ・にも関わらずSBはひたすらチェックコールし、最後にオールイン要求
レンジ以上に、これらの要素が重要になるかと思います。

 

とくに、Snowie活用の中では考慮されない「SBがどんなプレイヤーか」を考えると
タイトな日本人女性でしたので、この状況でボタンが勝っていることはほぼありえず、
リバーで捲れる4.5%の可能性を考慮してもダウンが正解だったように思います。
なんにせよ、傍から見ていても
 ・プリフロでのコール
 ・フロップでのベット
 ・ターンでのベット
と自分の首を徐々に絞めていくプレイにしか見えませんでした。
第三者の目線では冷静にこのような判断ができても、
自分が当事者になると同じ行動をしてしまうかもしれません。

 

今後同じような場面で冷静さを失った時には、「第三者目線でもそう思うのか?」
と一呼吸置きアクションをしたいと思う、非常に良いきっかけになった1ハンドです。

 

TOMO@KL

マレーシア首都のクアラルンプール在住。

ポーカーが趣味で1~2ヶ月に1回程度仁川・マニラ・台北・ホーチミン等に海外遠征。
当初はライブトーナメントのみプレイしていたが、現在はキャッシュ・オンライン等形式は問わず幅広くプレイ。

マレーシア在住の方やポーカー好きの方等、積極的にメッセージいただけると嬉しいです。

おすすめ記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。