こんにちは。TOMOです。
昨日同居人Nと会話していて、我ながら良いこと言ってるなーと思った
のを思い出したので記事にまとめてみます。
来年はキャッシュゲームを本格的にやっていこうと思っており、
既に1月マニラ(3週間)→2月カンボジア(10日間)→4月メルボルン(10日間)と
3つの地域へ行くことを決めています。
基本的にはキャッシュ修行の文字通り、一人で行って
一日10~15時間程度打ち続ける生活をひたすら続ける予定でしたが、
カンボジアは同居人Nも一緒に行くことになりました。
カンボジアはNも行ったことが無いエリアだったこともあり
僕が行きましょ行きましょと言い続けた結果、折れてくれ、
観光もしつつポーカーもする(僕は観光比率低め、Nは高め)といった旅になります。
僕のポーカー遠征は日常茶飯事ですが、Nはおよそ2年ぶり。
そこで色々話をしている時に、Nから
「微妙に下手な人ってどういう人だと思う?
明らかに下手って人じゃなくて、自分より下手かどうかの見極めって」
という振りが来ました。
凄く難しい質問だなーと思いつつ、取り留めなく会話していた中で
日本のアミュカジでよく聞いた発言を思い出してこんな話をしました。
僕「よく、『こいつ2オーバーだけでコールしたのかよ』って言う人いるんですよ。
でも、AKやAQの2オーバーなら勝っている可能性も高いし、
実はバックドアがついてたり、ガットもあったり、ボードに9があってJTだったり。
フラドロなら分かりやすいから皆『フラドロから当てられたのかー』って言いますけど。
どういうボードでどんな2オーバーならベターか分かってない人多いんですよね。
そういう細かいリーディング……というか、もはやポーカーに対する理解の浅さというか、
それが透ける人はプレイがSnowieに近く一見上手そうに見えても下だなーって思います。
逆にそのあたりの違いをしっかり気づいてきちんと状況と合わせて覚えていて、
相手のレンジを絞りながらアジャストできてるっぽい人は上手いと思います」
この後も10分くらいこの点について話してたのですが、要点をまとめます。
フロップでのフラドロは35%、オープンエンドは32%(ざっくり両方3回に1回)とか
2オーバーだからアウツ6枚で24%くらいとか。
フロップからアウツが明らかっぽい場合は2-4の法則で覚えたり計算したりする人は多く、
恐らくこのくらいはできないと初心者と言われても仕方ないラインだと思います。
一方で、ポーカー歴が長くて(感覚派でなく)結構勉強している人でも
バックドアフラッシュ:4.2%
JT9等3枚コネクタからのバックドアストレート:4.4%
あたりは全然考慮しなかったりします。
4%の差って、QToとQTsの差、87oと87sの差とほぼ同値です。
プリフロであれだけスーツかオフスーツかでレンジをバッサリ切れてるのに
フロップで4%もあるバックドアドローを無視する道理は無いはずです。
自分がコールする時もそうですし、相手にコールされる時もです。
ここの数字を無下にしてプレイやリーディングに生かせない人は
(他に秀でた部分が無いなら)あまり上手くないなーと僕は思います。
そういう方は、4%のEV差や戦いやすさを考慮しているんじゃなくて、
レンジ表を丸暗記したり感覚だけでプレイしたりしているのかな
なんて正直疑ってしまいます。
(僕は暗記苦手なので、暗記でそこまで行けるのは凄いと思いますけど)
文章だと伝わりにくいので、一つ例を。
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ボード:9♤3♢2♢
CB側のハンド:A♡9♡(TPTK)
と設定し、相手が3種類の2オーバーカードを持っていた時の
エクイティを比較してみます。
1.K♡Q♡:23.7%
絵に描いたような2オーバーです。
良いハンドですが、A持ち・ポケット全てに負けています。
更にリバーまで見れば4回に1回程度勝てますが、
ターンで欲しいカードはKとQの6枚のみ。
リバーで引いた時は
「あいつ2オーバーだけでコールしやがって」
と言われても仕方ないハンドだと思います。
(一応J-Tのコンボのみストレートドローもありますし、
KJやQJ等にも勝っているハンドなので
その判断でのコールはとくに否定していません)
2.J♡T♡:27.0%
これもよく「2オーバーのみ」と言われるハンドですね。
KQと比べてもQT・QJ・KJ等オリジナルのレンジに対して
勝っているハンドがかなり狭まるので、よりぶつぶつ言われるハンドかもしれません。
一方で、ストレートドローのコンボは
K-Q、Q-8、8-7と3種類(48/1081通り=4.4%)もあります。
エクイティも27%とKQよりも3%強上回っており、
よりコールできるハンドであることが分かります。
3.J♤T♤:31.2%
バックドアフラッシュドローも付きました。
EVは31%まで跳ね上がり、K♡Q♡(23.7%)に比べると
31%も勝率が高くなっています。
フロップでコールすれば、ターンで状況が有利に変わるカードが
・T♧♡♢、J♧♡♢:トップヒット
・Q♤、8♤:オープンエンドフラドロ
・Q♧♡♢、8♧♡♢:オープンエンド
・K♤、7♤:ガットフラドロ
・K♧♡♢、7♧♡♢:ガットショット
・2~6♤:2オーバーフラドロ
・A♤:フラドロ
と計28枚(/47枚)もあります。
リバーでこのハンドをショウされてA9が負けた時に
「2オーバーだけ」と嫌味(になってない負け犬の~~)を言う人と
(♤2枚でJT? 9ハイボードか。まーフロップ普通にコールだわ)と冷静に分析できる人。
ここに明確な差があると思うって不思議じゃないのではないでしょうか。
少し余談ですが、トーナメントで自分がショートの時、コネクタやスーツでBB守り
フロップで1ヒット・ガット・オープンエンド・フラッシュドロー等何かしらついた時に
ドンクオールインする人は結構いると思います。
これを「オッズ的に正しいプレイ」と胸張って言えるのであれば、
実はこの2オーバーバックドア諸々付きも結構突っ込めたりします。
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「フロップでCB打ったらコールされて、リバーまで行ったら2オーバーだけだった」
に関して深堀すると、フロップでのベッド額によってもかなり変わります。
この事実を見た後のハンドA9sの9トップヒット。
「相手は2オーバーある可能性高いし、2オーバーなら1回はコールしてくれるはず」
の考えでベットするのはエクスプロイトとして良いプレイかもしれませんが、
ベット額が大きければ相手に同じドローがあってもダウンに傾くかもしれません。
また、小さ過ぎると相手にオッズの合うプレイをさせてしまうかもしれません。
自分から見た相手のコールした理由を「2オーバーだから」
と舐めたリーディングをしていた一方で、
相手目線ではコールした理由を
「2オーバーでバックドアでフラドロとストレートドローついてて、
ベット額がポットの50%で3回に1回はターンで欲しいカード引ける上に、
自分がフロップコールしたらダブルバレル打つ可能性が低く、
リバーでアウツ引いた時に1ヒットからポット50%まではほぼ間違いなくコール貰えて、
更に自分の方がポジション良いからミスプレイしにくく、
相手のテル的にA無いからA出たらブラフでポット取れる」
等まで考えてコールしていたのであれば、間違いなく自分より相手の方が上手く
エクスプロイトしていたつもりが、エクスプロイトされることになってしまいます。
一方で、この相手のレベル感をしっかり互角かそれ以上にリーディングできていれば、
リバーでオーバーカードが落ちて大きなベット額のブラフをされたとしても
「相手のレンジに2オーバーはあるけど、このKは関係ない」等と適切な判断をして
イージーにブラフキャッチをできると思います。
“相手が自分より下手かどうかの見極め“という難しい題材からの派生でしたが、
「2オーバーカードでコールした」の裏でどこまで考えられるのか。
結構ポーカーの上手さを判断するのに良い問題なんじゃないかと思います。